沖縄県内最大規模のごみ処理施設「那覇・南風原クリーンセンター」で起きた出火事故。
安全管理のずさんさや連絡体制の遅れが明らかになった。
地域住民や関係者からは不安視する声が上がっている。(社会部・比嘉桃乃、南部報道部・高崎園子)

「慌てていて忘れていた」−。出火時、消防に通報しなかったことについて施設を運営する那覇市・南風原町環境施設組合の職員はこう釈明した。

出火が発生したメタルヤードからの火災警報があったのは13日午前9時37分。
しかし施設を管理する民間業者の職員は出火を発見できず、館内放送で「異常なし」と伝えたという。

一方、同じ頃、ごみ収集車の運転手がヤードから炎が上がっているのを発見。近くにいた作業員2人が消し止めたことでからくも延焼を免れた。

◆同行の議員に伝えず
出火時、同施設組合議会の県外視察に同行していた仲間好彦センター所長に連絡があったのは13日午後0時すぎ。
だが一緒にいた議員らに伝えられることはなかった。
議員に報告しなかったことについて仲間所長は「正確な情報が得られたのが夜遅かったため」とし「一報を受けた時に報告すべきだった」と説明した。

県外視察の日程を繰り上げて現場を見た大城勇太南風原町議は「首里城火災があった後。管理体制を見直すべきだ」。
坂井浩二那覇市議も「危機管理意識が欠けている。根本を見直さなければならない」と語った。

◆周辺住民「連絡が遅い」
施設から周辺地域の住民への連絡は発生翌日。
南風原町東新川自治会の大城隆会長は、施設が近隣の7自治会などと結ぶ公害防止協定書で災害が発生した際、直ちに報告することを定めているとし「協定が守られていない。事故はあってはならないことで、連絡が遅いのもおかしい」とした。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/498713