礼砲発射「緊張の連続」 山梨・北富士駐屯地の戦砲隊長
2019.11.13 21:48

第1特科隊は首都圏を守る火砲部隊です。
礼砲は4つの中隊が持ち回りで担当していて、今年の夏に
私たち第1中隊が今回の担当を命じられました。
上官に「名誉ある任務を絶対に完遂します」と誓いました。

その後、第1特科隊は千葉県の台風被害の復旧や、
道志村で行方不明になった女児の捜索に派遣され、
多忙だったのですが、準備を粛々と進めました。

私たちは普段はFH70という155ミリ榴弾(りゅうだん)砲で
訓練していますが、礼砲は既に現役を退いている105ミリ榴弾砲を4門使い、
それぞれを5人ずつの隊員が操作します。

タイミングが命で、事前に緻密に計算します。
今回の場合、安倍晋三首相の「天皇陛下、万歳」の掛け声と
参列者の「万歳」唱和の間に1発目の音を響かせなければなりません。

首相の「天皇陛下」の「て」の瞬間、皇居・宮殿にいる
第1特科隊長の林佐光1等陸佐が携帯電話で「撃て」と指示します。

850メートル離れた北の丸公園で中隊長の児玉義信1等陸尉が受け、
私が赤い旗を振り下ろすと隊員が発射。3・5秒で音が
宮殿に到達するようにします。絶対にミスは許されず、神経を使いました。
その後は5秒間隔で計21発を正確に発射しました。

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(略)
こばやし・よしまさ  昭和57年、長野県山形村出身。
信州工高卒。平成12年に自衛隊入隊。
駒門駐屯地(静岡県御殿場市)にあった第1特科連隊を経て、
14年の部隊再編で第1特科隊に。
山梨県富士河口湖町の自宅で妻と子供3人の5人暮らし。

https://www.sankei.com/politics/news/191113/plt1911130044-n1.html