若者を中心にジーンズの売れ行きが落ちている。中でも、最もメジャーな価格帯の1万円以下が売れないという。
かつて「若さ」や「自由」の象徴だったジーンズの人気が低迷しているのはなぜか。

「全国のユニークな顔をした芸能人のみなさん、ユニークな体形をした芸能人のみなさんに、夢と希望を与えられた」
10月15日に東京国際フォーラムであった今年の「ベストジーニスト賞」の発表。オーバーオール姿で登場した出川哲朗さんは冗談交じりにこう話し、
拍手を浴びた。受賞したのはほかに、長谷川京子さんや山本美月さんら。毎年恒例のにぎやかなイベントで盛り上がったが、
実はジーンズ業界は今、危機にある。

東京都品川区の中延商店街。青山智紀さん(46)は、この商店街にある「ジーンズショップ・スズヤ」を26年前に父から継いだ。

「一番買いに来るのはジーンズブームを経験している70歳前後の男性。一番買いに来ないのは、30代より下の学生を中心とした層でしょうか。
一昔前と比べても、全然来ないですね」

スズヤで扱うのはメンズでエドウイン、リー、リーバイスの3ブランド、レディースではスウィートキャメル、ミスエドウインの2ブランド。
購入しやすい7千円前後の商品を中心にそろえている。しかし、ジーンズの売れ行きは順調ではない。

先代の父親のころはほぼジーンズだけの商売だったが、今はアロハシャツやTシャツなども取りそろえて店を維持している。ジーンズに限って言えば、
売り上げは20年ほど前に比べて半分程度になっている。

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ジーンズショップ・スズヤのジーンズ売り場。店主の青山さんは「ジーンズ好きな若者が減った」と話す
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