【ワシントン時事】トランプ米大統領は２７日、ホワイトハウスで国民向けの演説を行い、米軍がシリア北西部
イドリブ県の対トルコ国境付近で軍事作戦を実施し、過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）最高指導者バグダディ容疑者が
死亡したと発表した。２０１４年にイラクとシリアで始まった米軍の対ＩＳ軍事作戦は、処刑や虐殺を繰り返し、
その残虐性で世界を震撼（しんかん）させた組織の最高指導者死亡で一つの節目を迎えた。

　米軍特殊作戦部隊は２６日夜、ヘリコプター８機などを投入して急襲作戦を実施した。地上部隊もアジトに
踏み込み、短時間の戦闘を展開。バグダディ容疑者は子供３人を連れてトンネルに逃げ込んだが、
軍用犬に追い詰められ、爆発物を仕込んだベストで自爆した。

　バグダディ容疑者の妻２人も死亡したが、建物内にいたほかの子供１１人は保護された。米軍側は２人が
軽傷を負っただけだった。爆発で崩れたトンネルから遺体を掘り起こして簡易ＤＮＡ鑑定を実施し、
バグダディ容疑者の死亡を確認したという。

　トランプ氏は「（バグダディ容疑者は）病的で下劣な人間だ。泣き叫んで逃げ回り、臆病者にふさわしい
死に方をした」と説明。バグダディ容疑者殺害作戦は数週間前に水面下で始まったといい、「永続的かつ完全に
ＩＳとテロ組織の破壊を目指す米国の決意を示した」「世界はより安全な場所になった」と強調した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019102700504&;g=int