【シアヌークビル(カンボジア)】中国政府がカンボジア海軍の基地利用を巡り同国政府とひそかに合意を結んでいたことが分かった。米国および同盟国の政府当局者らが明らかにした。合意は春に結ばれていたが両国からは公表されていない。

合意により中国はタイランド湾にあるカンボジア軍基地の一部を独占的に使用することが可能になる。基地の近くでは中国企業が大規模な空港を建設中だ。

当局者らによれば最終的な合意の詳細は明らかになっていないが、素案に目を通した米政府当局者は30年間の契約だとし、その後は10年ごとに自動的に更新される内容だと述べている。
素案によれば中国は軍関係者を駐在させられるだけでなく、兵器の保管や軍艦の停泊も可能になる。

中国が海軍基地や空港から軍事作戦を展開できれば、南シナ海での領有権や経済的利害をより強く主張できるようになるほか、米国に友好的な東南アジア諸国にとっても脅威となり、戦略的に重要なマラッカ海峡でもその影響力は高まる。

中国やカンボジア政府当局者らはカンボジアに中国軍基地を建設する予定はないと主張。カンボジア政府の報道官は19日、「そのようなことは起きていない」とし「フェイクニュースだ」と述べた。

しかし、米国や同盟諸国の当局者は、その合意により、中国政府は本格的な軍事基地とまでは言わないまでも、東南アジア初となる専用の海軍中継基地を手に入れることになると述べている。
また米国防総省は、中国政府がそこを第2の前哨基地として世界的な軍事および軍民両用施設ネットワークを構築する狙いだとみているという。

在カンボジア米大使館の報道官は、米政府はカンボジア政府が外国軍を国内に招き入れることで地域の平和と安定が乱されることを懸念していると述べた。

問題のカンボジア軍事基地は南部リアムの密林に囲まれた場所にある。広さ約77万平方メートルで、米国の資金で建てられたカンボジア海軍施設が2棟と巡視艇十数隻が停泊した桟橋が1つある。

米当局者の話では、合意の素案によると、中国は新たな桟橋を2カ所に建設し、1カ所は中国、もう1カ所はカンボジアが使用することを計画しているという。
より大型の中国海軍艦船を停泊させるには、さらに水底の土砂を取り去る工事が必要になる可能性が高いと米当局者は話す。

また素案によると、リアムにある約25万平方メートルの中国の使用区域では、中国人スタッフは武器やカンボジア旅券(パスポート)を携行可能な一方、カンボジア人スタッフは進入に中国の許可が必要だという。

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