黒田官兵衛カラーの飾りごま制作 姫路の独楽職人
 姫路ゆかりの戦国武将・黒田官兵衛の兜の色にちなんだ飾りごまを、伝統工芸品「姫路独楽」の職人村岡正樹さん(53)=兵庫県姫路市=が制作した。官兵衛が愛用したと伝わる「銀白檀塗合子形兜」を参考に、黒、赤、金の3色で艶やかに塗り上げた。(地道優樹)
 姫路独楽は江戸後期から作られ、縁起物としても重宝された。村岡さんはろくろと鉋を使った独楽作りの技を継承する「姫路独楽伝承会」の会長を務め、昨年から飾りごまも手掛ける。
 国産のミズメザクラを削った飾りごまは直径15センチと21センチの2種類。通常遊びで使うこまの2、3倍の大きさに相当する。中心には鉄芯を通し、重さはそれぞれ約800グラムと約2キロある。
 官兵衛の兜は光沢のある赤褐色が特徴で、銀箔を施した上から透き漆をかける技法「白檀塗り」が用いられている。村岡さんはこまの中心部分に銀色の塗料の上から漆を塗ることで、兜に似た色合いを表現した。
 乾燥させながら手作業で何度も重ね塗りするため、1個作るのに最短でも約1カ月を要し、現在までに計12個を完成させた。
 飾りごまには「子どもが独り立ちできるように」「仕事や家庭がうまく回るように」といった願いが込められているという。村岡さんは「正月飾りや新築祝い、男児の初節句。播磨で昔からあった姫路独楽を贈る風習を広く知ってもらいたい」と話す。
https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201909/sp/0012727622.shtml