ロンドン(CNN)英国の上空でスカイダイビングをしていた2人が、時速約563キロのスピードで飛行する米軍の
戦闘機2機とあやうく衝突しそうになっていたことが、英異常接近調査委員会がまとめた報告書で分かった。

報告書によると、ニアミスが起きたのは今年4月17日。時速約193キロでフリーフォール中だったスカイダイバ
ー2人の下を、F15戦闘機2機が通過した。

スカイダイバーのうち1人がヘルメットに装着した「ゴープロ」のカメラが、この時の様子をとらえていた。
スカイダイビングの2人は英ケンブリッジシャー州のチャタリス飛行場から出発。戦闘機はサフォーク州レイクン
ヒースにある英空軍基地から発進していた。気象条件は良好で、視界はスカイダイバーが10キロ、戦闘機は50
キロだった。

スカイダイビングが行われる空域は、その一帯を飛行する航空機に周知させる目的で、航空図への記載が義務
付けられている。報告書によると、英空軍基地は毎朝チャタリス飛行場から電話でその日の予定について連絡を
受けていた。

しかし戦闘機のパイロットの1人は、この日チャタリス飛行場がスカイダイビングに使われることは認識しておらず、
管制からも連絡はなかったと証言した。

これはあってはならない事態だと報告書は指摘、その後、再発を防ぐための対策が講じられたとしている。
原因については、レイクンヒース空軍基地の管制官の負担が過剰だったために、連絡が行き届かなかったことが
一因だったとの見方を示した。

撮影された映像からは、降下中の2人と戦闘機との正確な距離は特定できなかった。しかし戦闘機の姿がはっき
りと映っていることから、「衝突のリスクがどれほど高かったかという問題が生じる」と報告書は指摘している。

https://www.cnn.co.jp/world/35142643.html