「性的虐待」実業家から資金援助、MITの日本人所長が辞任
9/8(日) 8:20
【ニューヨーク=橋本潤也】米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は7日、
マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボの伊藤穣一所長(53)が7日付で辞任したと報じた。
伊藤氏を巡っては、少女への性的虐待の罪で起訴された米実業家ジェフリー・エプスタイン氏から
資金援助を受けていたことが発覚し、メディアラボ内でも批判が上がっていた。
エプスタイン氏は、自宅に未成年の女性を呼び、性行為を強要したとされる。
トランプ大統領やクリントン元大統領らと親交があることで知られ、
事件は全米の注目を集めたが、起訴後の8月10日、ニューヨーク市内の勾留施設で自殺した。
伊藤氏が8月に発表した声明では、メディアラボや自身が資金提供を受けたことや、
エプスタイン氏の自宅を訪ねたことは認めたが、性的虐待事件については知らないと釈明していた。
伊藤氏の辞任は、米雑誌ニューヨーカー(電子版)が9月6日、
メディアラボがエプスタイン氏からの資金提供に関して匿名にするなど、
意図的に関係を隠していたとする記事を報じた直後だった。
MIT側は報道を受け、調査を行うことを明らかにしている。
伊藤氏は、多数のIT企業の経営や投資に携わった実業家としても著名なほか、
インターネットやITに精通し、2011年からメディアラボの所長を務めていた。
12年からはニューヨーク・タイムズ紙の社外取締役も務めている。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190908-OYT1T50052/