カメルーン沖のギニア湾(Gulf of Guinea)で15日、商船2隻が襲撃され、乗組員の中国人9人とウクライナ人8人が
拉致された。情報筋が16日明らかにした。

 現場は、ギニア湾の最も奥まった海域にあり、海上犯罪が多発しているカメルーンのドゥアラ(Douala)港沖。

 海上貿易における犯罪の防止に取り組む「国際海事局(IMB)」のノエル・チュン(Noel Choong)局長によると、
2隻はドゥアラ沖で停泊していたところ、数時間のうちに相次いで襲撃された。

 チュン局長はAFPに対し、ドイツで所有されているアンティグア・バーブーダ船籍の多目的船から「アジア人と
ヨーロッパ人から成る12人の乗組員のうち8人」が拉致された。またギリシャで所有・管理されているリビア船籍の
ばら積み貨物船から「全員がアジア人から成る21人の乗組員のうち9人が、それぞれ拉致されたと述べた。

 匿名のドゥアラ当局者は16日、AFPに対し、拉致された17人のうち9人は、同じ船から拉致された「中国人の民間乗組員」
だと説明。別の匿名のカメルーン治安当局者も同様の説明をした。

 カメルーンの海軍と港湾当局は15日、拉致が発生したと発表していたが、捕らわれた乗組員の人数や国籍は
不明としていた。

 海軍筋は、拉致犯は「おそらくナイジェリアの海賊」だとし、カメルーン治安部隊が捜索していると述べた。
 ギニア湾はリビアからガボンに至る長い海岸線を持ち、海賊のほか、石油窃盗、違法漁業、人身売買、麻薬密輸が
行われていることでも知られている。(c)AFP/Reinnier Kaze
https://www.afpbb.com/articles/-/3240192