もともとは僕自身の「内なる天皇」を見つめようというのが一連の作品のテーマなんですが、この映像では従軍看護婦の女性にそれを託しているのです。
『遠近を抱えた女』は1時間40分の映画ですが、その女性のシーンがほとんどです。

篠田 映画はもちろん公開されていないわけですが、今回の動画でさえ見ないで攻撃している人が多いわけですよね。
会場で見た人だって、展覧会の会場で流れっぱなしの映像だから、じっくり見てテーマを考えるといったことになっていない可能性がありますよね。

大浦 本当は映画館でじっくり見ようという意識で見てもらったほうがよいとは思います。
美術展で映像を流すというのは、どうしても断片的に見るから、燃えているシーンだけが印象に残って誤解されるかもしれないですね。
一応テーマをひもといた解説も会場にはあるのですが、そこまでじっくり見ない人も多いですよね。

篠田 ネトウヨの人がそこのシーンだけを拡散して煽ったりすると余計誤解されますよね。

大浦 そこだけ見ると、反天皇のプロパガンダだという間違った見方をされる恐れはありますね。実際は全く違うんですが。

 そもそもそういうものだったらプロパガンダではあっても、多様性を持った「表現」にはならないですよね。


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https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20190816-00138640/