香港マカオ事務弁公室の徐露穎報道官は29日の記者会見で「暴力は暴力、違法行為は違法行為」だと語り、
市民的不服従を容認しない考えを示した。

同報道官は、「香港で最近起きたことは、平和的な行進とデモの範疇を大きく超えており、香港の繁栄と
安定を損ねた。『1国2制度』という原則の根幹に触れるものだ」と主張。さらに「法の秩序の下にある
文明社会で、暴力行為は決して許さない」と語った。

会見は、中国政府が1989年の天安門事件の時のように、デモ隊鎮圧のために人民解放軍を出動させるのでは
ないかという憶測が高まるなかで開かれた。

7月28日は、中国政府の出先機関である香港連絡弁公室がある香港西部で、デモ隊がレンガや手製の武器、
板ガラスなどを使って、機動隊や「ラプター隊」(特殊訓練を受けた機動隊)の隊員と衝突。
報道陣2人と複数のデモ参加者が怪我をした。香港連絡混乱は香港西部にも広がった。
香港連絡弁公室は前週末にも、スプレーを吹き付けたり卵を投げつけらたりして、中国当局の危機感を煽ったといわれる。

香港政府は29日に声明を発表。「法と秩序を無視し、治安を乱した過激なデモ隊を強く非難する。
警察が、全ての暴力行為を阻止するために法を厳しく施行することを、今後も全面的に支持する」と述べた。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/07/post-12641.php