不眠症について、日本睡眠学会認定医で、上島医院(大阪府大阪狭山市)院長の渥美正彦さんに
聞きます。(聞き手・古川恭一)
患者が眠れないと訴えると、それが「不眠症」。睡眠障害の国際分類には
そう記されています。とはいえ、様々な原因で眠れないのですから、対応も様々です。
睡眠中には、二つの状態が交互に現れます。一つは「レム(REM)睡眠」です。
名の由来は「素早く目が動く(rapid eye movement)」ことで、目は動きますが
体は動かず休んでいます。幼少期の脳神経の成長に必要とされ、加齢に伴って減っていきます。
もう一つは、「ノンレム睡眠」。深いノンレム睡眠は「ぐっすり」という状態で、
ほぼ常に活動している脳を休める役割があります。やはり幼少期に多く、
脳の発達に関わっていると考えられています。
ところが、男性では30歳代から「ぐっすり」が減り、「すやすや」「うとうと」といった、
より浅いレベルのノンレム睡眠の割合が増えます。女性は閉経をきっかけに、
深い睡眠が減るようです。眠りの質が急に落ち、「眠れない」と来院される方もいます。
女性ホルモンの分泌が乏しくなるのが原因の一つですが、ホルモン剤の投与は
副作用もあり、注意が必要です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190710-00010000-yomidr-sctch