時給761円と762円はしごする日々 年金も生活費に


 賃金をめぐるさまざまな格差が広がり、選挙戦の論点になっている。
全国で最も最低賃金が低い鹿児島県に向かい、働き手の話を聞いた。

公示前の2日、鹿児島市内で話を聞いた女性(65)は、夫と2人暮らし。
病気がちな夫の稼ぎは月5万〜6万円といい、弁当屋と小売業者の事務職のパート勤務を掛け持ちしていた。

 5月の給与明細2枚を見せてもらった。手取りは合わせて14万5千円。
スマホの計算機能で弁当屋の基本給の金額を勤務時間で割り戻し、時給を計算してみると、「761」と表示された。
鹿児島県の最低賃金の時給761円と同じだ。
事務職の方の明細には時給は762円とあった。

 女性は午前3時半に起きて車で弁当屋に出勤し、いったん帰宅。
午後にまた車で出かけ、事務の仕事をこなす。1日10時間以上、働くこともざらだ。

https://www.asahi.com/articles/ASM773F7WM77ULFA001.html