「古代ギリシャの科学者であるアルキメデスが凹面鏡で太陽光を集めて敵艦を焼き払った」という伝説がある通り、
光学の歴史の始まりは2000年以上前に遡ります。そんな光学の歴史上で人類が2000年以上も解決できなかった
「レンズの収差の解消」という難問をメキシコの大学院生が数学的に解決したと報じられています。
反射鏡やレンズに入射した光は、屈折または反射することで光軸上の1点に収束すると理論付けられています。
しかし、現実にあるほとんどのレンズは加工の問題で表面が球面の一部となっているため、実際にはすべての光線を1点に集光することはできません。
そのため、解像力を上げようとレンズの口径を大きくすると、像がぼやけてしまうことがあります。この光線のズレが起きる現象を「球面収差」と呼びます。

メキシコ国立自治大学で博士課程の学生であるラファエル・ゴンザレス氏は、以前からレンズと収差の問題について数学的に取り組んでいた一人。
ゴンザレス氏によると、ある日の朝食で一切れのパンにヌテラを塗っていた時に、突然アイデアがひらめいたとのこと。
「わかった!」と叫んだゴンザレス氏は湧いたアイデアをそのままコンピューターに打ち込んでシミュレーションを行ったところ、球面収差を解消できていたそうです。
「あまりのうれしさに、いろんなところに飛び乗りました」とゴンザレス氏は語りました。以下の非常に複雑な数式が、レンズの表面を解析的に設計できる公式だそうです。
ゴンザレス氏やチャパッロ氏ら研究チームは、「General formula to design a freeform singlet free of spherical aberration and astigmatism
(球面収差と非点収差のない自由曲面一重項を設計するための一般式)」という論文も発表し、1900年に定式化されたLevi-Civita問題も解決したと報じられています。

以下ソース
https://gigazine.net/news/20190708-aberration-problem-solved/
球面収差
https://i.gzn.jp/img/2019/07/08/aberration-problem-solved/01.jpg
怪しげな数式
https://i.gzn.jp/img/2019/07/08/aberration-problem-solved/03_m.jpg
怪しげな数式から導き出された怪しげなレンズ
https://i.gzn.jp/img/2019/07/08/aberration-problem-solved/04_m.jpg