ファンが叫ぶ!「神さま 仏さま ホンダさま」

 まずはこの写真をご覧いただきたい。
 たまたま通りかかった我々に対し、地面に平伏して全身で感謝の意を表す、本日のレースの若きチャンピオン、マックス・フェルスタッペンの熱心なファンの姿である。
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「ありがとう、ホンダ!ありがとう!」
 「一緒に飲もうじゃないか兄弟。俺たちは本当に嬉しいぞ」

 彼らは口々にこう叫び、ある者は駆け寄り握手を求め、ある者はプロレス技のベアハッグさながらの強烈なハグをし、
またある者はジョリジョリとひげ面を押し付けて頬に強引にキスをしてきた。

心からの狂喜。文字通りの乱舞。こだまする「HONDA! HONDA!」の大合唱。
その声に引き寄せられるように、キャンプサイトの奥のほうからもわらわらと人々が集まって来る。ファンにガッチリ包囲された我々は、前に進むことすらままならない。
もみくちゃにされながら、ホンダ広報の松本さんは「フェルちゃん。レースに勝つって、こういうことなんだなぁ……」と涙声でつぶやいた。

長く、暗く、つらいトンネルを抜けた先に広がっていたのは、屈託のないファンの笑顔であり、心からの称賛の叫びであり、鳴りやまぬ拍手の嵐だった。
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 歓喜に沸く観客。涙にむせび声をつまらせるホンダの男衆。
 F1という世界の大舞台で勝つということはつまり、広報・松本さんの言う通り「こういうこと」なのだ。

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動画
https://streamable.com/e6vcw