関係者は「ベンツ」とは呼ばない

 日本でメルセデス・ベンツのクルマやブランドは、広く「ベンツ」と呼ばれていますが、今後、この慣習は大きく変わるかもしれません。

 その大きな要因となりうるのが「音声認識」です。2018年10月に日本で発売された「Aクラス」では、クルマがドライバーの呼び掛けに応じて
目的地の設定や空調の調整などを行うシステム「MBUX」が装備されました。これを起動させる場合、「ハイ、メルセデス」と呼び掛けると説明されています。

 メルセデス・ベンツ日本によると、このシステムは「ハイ、ベンツ」といった呼び掛けでは起動しないそうです。

「『ベンツ』も創業者のひとりの名前ですので、クルマの呼称としては決して間違いではありません。
ただ、『メルセデス』は女性の名前に由来し、語感としてもやわらかい印象があり、その名に親しんでいただくためにも、
『メルセデス』と呼んでいただけるよう、わたしたちも心掛けています」(メルセデス・ベンツ日本)

 同社によると、海外のメルセデス・ベンツのオーナーも多くは「メルセデス」と呼んでいるといい、関係者のあいだで「ベンツ」という呼称は
使わないようにしているそうです。それとは裏腹に、日本ではオーナーも含めて「ベンツ」の呼称が広く定着しています。
これについてメルセデス・ベンツ日本は、「短いからではないでしょうか」とのこと。新聞などでは字数に制約があるので
「ベンツ」と書かれることが多いものの、「思いとしては、ぜひ『メルセデス』とお書きいただきたいところです」と話します。

 前出の「MBUX」は、「ハイ、メルセデス。ちょっと暑いんだけど」といった話し方で反応する自然対話式音声認識機能が特徴です。
日本でも、少なくともオーナーのあいだでは「メルセデス」呼称が定着していくかもしれません。

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190707-00010001-norimono-bus_all