「沖縄全戦没者追悼式」に参列した安倍晋三首相はあいさつで「米軍基地負担の軽減に全力を尽くす」と強調したが、会場の参列者からは「うそだ」
「言葉は要らない」などと激しいやじが飛んだ。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設に伴って名護市辺野古沿岸部の埋め立てを政府が強行する中、県民の強い反発を象徴する形となった。

【死者20万人、沖縄戦 「鉄の暴風」】日本機に対するすさまじい対空砲火

 沖縄戦の追悼式で安倍首相のあいさつに対してやじや怒号が飛ぶのは、移設反対の圧倒的な民意を受けて誕生した翁長雄志(おながたけし)知事(昨年8月に死去)
が就任後初めての平和宣言で移設中止を求めた2015年から続いている。

 安倍首相の参列は13年から7年連続となるが、今年も辺野古移設には触れなかった。追悼式に出席した県議は「首相のあいさつは毎年ほぼ同じ。本来は厳粛に過ごしたいが
、声を上げざるをえないという沖縄の状況がある」と語る。

 西原町の女子大学生(20)は「首相は負担軽減の努力をアピールしていたが、辺野古問題には触れず、はぐらかされていると感じた」と話した。【遠藤孝康】https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190623-00000053-mai-soci