【AFP=時事】中東のオマーン湾で先週起きたタンカー攻撃で、専門家らはAFPに対し、日本のタンカー「コクカ・カレ
イジャス」が爆発に見舞われる前に上空で目撃された「飛来物」は無人偵察機だった可能性があるとの見方を示し
た。

タンカーを運航する海運会社「国華産業」の堅田豊社長は、爆発により火災が発生する直前、日本人とフィリピン人
の乗組員が「飛来物」を目撃したと述べていた。

堅田社長は「乗組員が飛来物でやられたと言っている」と説明。正体不明の物体が最初、タンカーの上空を飛行し、
3時間後に再び飛来した際に爆発が起きたとしている。

米海軍は、第2次世界大戦でも使用された吸着型機雷が水面より上の船腹に仕掛けられ、爆発を引き起こしたと主
張しており、この見解には専門家らも同意している。

吸着型機雷は、船体の金属部分にくぎや磁石で装着できる円すい形の装置。専門家らは、攻撃後に残された証拠
から、吸着型機雷が使用されたことが示されていると指摘している。

フランス海軍士官学校の元校長で、退役海軍中将のジャンルイ・ビショ氏は「証拠をみると、これは船舶への物体の
衝突によって引き起こされたものではない」と明言。「これは実際には、不発に終わった吸着型機雷の痕跡だ」、「乗
組員らが話していたのは無人機、偵察任務で送られた装置かもしれない」と語った。

匿名でAFPの取材に応じた仏情報機関の元幹部も、無人偵察機が将来の攻撃目標の追跡、目標の公式な特定と、
周辺の監視を行うために飛ばされた可能性があると説明。「単独または複数の無人機が、最も脆弱(ぜいじゃく)な
船を偵察するために使用された可能性がある」、「これは非対称戦争で典型的な手法だ」と述べた。

専門家らは、最初の無人機飛来の直後、攻撃の実行者が乗組員らに見つからないようタンカーの背後から接近し、
密かに機雷を仕掛けた上で、姿を消したとの見解を示している。これが事実なら、乗組員らは攻撃が上空の「飛来
物」によるものだと勘違いしたことになる。

https://www.afpbb.com/articles/-/3231377?cx_part=top_topstory&;cx_position=2