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↓ソースより抜粋

第1章では、そうした調査にもとづいて、ネット右翼とは「四六時中パソコンの前に張り付く風采の上がらない男性」と言う従来のありがちなイメージが否定されている。
階層的に一番多いのは「上」で、続いて「下の下」という二極分解が見られ、属性別では「経営者・自営業」が一番多い。学歴では「中高卒」と「短大以上」が拮抗している。

■自営・経営者が多い
 本書の調査で興味深かったのは第3章だ。一般的な統計調査では、実際のネット右翼がどんな人なのか、その人物像をイメージしにくい。
そこで、3章では、利用者の個人属性がある程度わかるフェイスブック内のネット右翼グループコミュニティを徹底分析している。
対象としたのは、2015年12月28日、日韓両政府間で「慰安婦」問題についての合意がなされた時の反応だ。このとき、安倍首相が書き込んだ年末の挨拶に対し「がっかりしました」「腸が煮えくり返る」と批判コメントを書き込んだ人々をネット右翼とみなして分析している。
首相を「右」の立場から批判した人は1396人。そのうち2018年6月現在でページが残っているのが735人。公開投稿について全員分をチェックした。

 職業判明者289人のうち137人が自営・経営者だった。アメリカでも同様の傾向がみられるそうだが、日本でもJC(日本青年会議所)など地域の経済団体に属する人が極右勢力の一部を形成することとも符合する。

 具体的な人物として、本書では「理髪店主」「化粧品店店主」「損保代理店の経営者」「鍼灸師」「精肉卸販売店経営」などが登場する。統計では数字でしか伺えないネット右翼の姿が、少しくっきりする。もちろんこれらの職種はたまたまであって、その仕事の人にネット右翼が多いということではない。
https://www.j-cast.com/bookwatch/2019/06/21009225.html