2016年に元海兵隊員で米軍属の男が県内の女性を殺害した事件後、政府が「再発防止策」として始め累計約15億円を投じている「沖縄・地域安全パトロール隊」事業で、
路上寝など泥酔者対応が実績の約75%を占めることが分かった。

米軍関係者に関する通報は6件(通報総数計855件)にとどまり、全体の0.7%だった。
発足当初から米軍関係の事件の再発防止策としての有効性や費用対効果が疑問視されていた。
沖縄総合事務局は「米兵だけを対象にしている訳ではない」と説明し、数字に反映されていない犯罪抑止効果があるとしている。

沖縄総合事務局によると、16年6月〜18年末のパトロール隊による県警への通報件数は計855件。
うち75.4%に当たる645件が泥酔者対応だった。
次に少年補導41件、不審者16件で、米兵・軍属とは関係なかった。

米軍関連の6件の内訳は路上寝3件、交通関係2件、けんか・口論1件。
照屋寛之沖縄国際大学教授(行政学)は「米軍による事件・事故という本来の趣旨とかけ離れている。多くの県民も知らないのではないか」と指摘した。

パトロール事業に支払われた予算は16年度2億6800万円、17年度6億2600万円だった。
18年度の額は政府が計算中だが3年の合計は約15億となる見込みだ。
内閣府の資料では1日当たり約200万円とされる。

県内では米軍関係者の犯罪は16年に23件摘発された。17年には48件に上り、過去5年で最も多かった。
18年は31件だった。

総合事務局の波平康安心・安全対策推進官は「私たちが実施しているパトロールは米兵だけを対象にしているわけではない」と説明し
「数字に出てこない犯罪抑止効果もある。数字だけが実績なら地域の防犯パトロールも同じで、意味がないことになる」と強調した。

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