先月29日、ハンガリーのブダペストで韓国人33人を乗せて沈没した遊覧船「Hableany号」の事故で、
船体にダイバーが入って行方不明者を捜索する活動はしないことが決まった。

韓国側は「船室にダイバーを入れて(行方不明者のものだと思われる)遺体の捜索をしたい」との意向を伝えたが、決定権を持つハンガリー側が「ダイバーの生命が危険にさらされる可能性がある」として拒否した。
その代わりに両国は5日(現地時間)から船体引き揚げ作業に着手した。

AP通信によると、ハンガリー内務省のシャンドル・ピンテル大臣は4日、議会に出席して、事故収拾状況を問う議員らに
「船体内部に入ってはならないと明確に(韓国側に)伝え、韓国側も受け入れた」と回答したという。

ピンテル大臣は「我々は英雄を作り出したくない」とも語った。
ダイバーの命が危険にさらされ、英雄視されることがないようにするという意味だ。
同号は船齢70年と古く、川底に傾いて埋まっており、骨組みが弱い木造船なのでダイバーが中に入れば柱やデッキが崩れる危険性がある。

ピンテル大臣は「船体の内部には『わな』がある」という表現も使った。
まかり間違えばダイバーが脱出できなくなるという意味だ。
5日の川の流れは時速4.5キロメートルで、安全な潜水が可能な川の流れの2倍を上回っていた。
このため、ダイバーが流されずに船体に入るには命綱を付ける必要があるが、船体のどこかに命綱が引っかかればダイバーの生命に危険が及ぶかもしれない。
さらに、行方不明者のものだと思われる遺体の多くがテーブルやいすなど障害物の多い船の後方の客室にあると推定されるため、捜索が難航するだろうという話もあった。
韓国側関係者は「最善を尽くす韓国のダイバーたちの姿勢は尊敬するが、遺体収容に命をかけるのは理解しがたいというのがハンガリーの人々の認識だ」と語った。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/06/06/2019060680020.html