光産業創成大、核融合実用へ一歩、燃料投入技術を開発

光産業創成大学院大学(浜松市)は4日、未来のエネルギーとして期待される「レーザー核融合」実現に向けた一歩となる技術を確立したと発表した。
燃料を従来の10倍となる1秒間に10回投入できる装置を開発した。
核融合の反応を連続して引き起こし、エネルギーをより効率的に取り出すことにつながる。

レーザー核融合は海水中に豊富に存在して反応しやすい重水素などで作る燃料を使う。、この燃料に強力なレーザーを照射し、原子核同士が融合する際に発生するエネルギーを取り出す。
太陽も核融合で燃えている。「地上に太陽を作り出す」研究に例えられる。

今回は重水素を入れた直径1ミリメートルの球状の樹脂製燃料を投入する新装置を開発した。
燃料に紫外線をあてて静電気を取り除き、燃料同士がくっつくのを防ぐ。
燃料を投入する装置の穴を従来の10倍に増やしたほか、燃料をスムーズに投入できる構造にし、燃料の投入量を多くした。

今回の開発でも、2ワットのエネルギーの投入に対して10億分の1ワットを取り出せるのにすぎず、より大きなエネルギーを効率よく取り出す技術が必要となる。
核融合炉を24時間続けて運転するのに必要な燃料投入装置の開発などを進める。

研究は光産業創成大のほか、浜松ホトニクスの中央研究所、トヨタ自動車の先端材料技術部など9機関、23人の研究者が参加した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45676440U9A600C1L61000/