[香港 29日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ラスベガスを目指すマカオが、現実の試練に直面している。
本土をつなぐ新しい橋が昨年開通して以来、百万人単位で中国からの観光客が押し寄せている。

だが、大量の訪問者に対応しきれないマカオ当局は、流れを抑えるため観光税の導入を検討。
マカオの経済多様化策は、練り直しを迫られている。

約380億ドル(4兆1000億円)の規模を誇るカジノの街は、自らの成功でつまづいた、とも言える。

広東省とマカオを結ぶ長さ55キロの巨大な橋が開通し、2019年第1・四半期は、前年同期比25%増となる1000万人が本土から訪れた。
この予期せぬ急増によって、街はパンク状態になった、とマカオの観光当局は言う。

一方、訪問客は思ったほどお金を落とさなかったようだ。

カジノの今年の売り上げは、比較的控えめだ。ギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽集団)(0027.HK)、サンズ・チャイナ(金沙中国)(1928.HK)、
SJMホールディングス(0880.HK)、メルコ・リゾーツ&エンターテインメント(MLCO.O)、MGMチャイナ(2282.HK)、そしてウィン・マカオ(永利澳門)(1128.HK) という
カジノ運営6社の売り上げ総計は、1─3月期に0.5%減少した。

新たな訪問者の大半は日帰り観光客で、ギャンブラーではなかった。このこと自体は、娯楽やイベントからの収入を増やして、
カジノ依存を軽減したいマカオ当局が歓迎すべきことのように思える。

だが現実はもっと複雑だ。

先週行われた国際カジノ見本市グローバル・ゲーミング・エキスポ・アジア(G2Eアジア)で、マカオ当局は観光客を抑制するための
税措置の導入を検討していることを明らかにした。基調講演のテーマである「ゲームから、ゲームを超えて」を背にしたマカオ観光当局のトップは、
カジノ以外の分野からの経済的な効果がまだ目に見えて表れていないことを認めた。

アート展や食品フェアなどの取り組みは、ドル箱になっていない。サイコロとカード、そしてスロットマシーンが、今もリゾート施設の売り上げの大半を占めている。

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https://jp.reuters.com/article/china-macau-breakingviews-idJPKCN1T10O7