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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190523-00282367-toyo-bus_all&;p=6


事実、多くの観光地では現在、外国に対して「とりあえず情報発信すればいい」という観光施策を実施しています。

 誰も見ていないホームページの開設や観光動画の掲載、誰もフォローしていないFacebookでの情報発信、ゆるキャラやキャッチコピーを使ったブランディング、交通機関頼みのデスティネーションキャンペーンなど、昭和時代のマインドのまま展開されている情報発信の事例は枚挙にいとまがありません。

 ちなみに、世界遺産、日本遺産、国宝、重要文化財に登録されるなど、お墨付きさえもらえれば人が来ると期待するのも、同様に昭和時代のマインドです。

 私は「日本遺産審査委員会」の委員を設立当初からつとめていますが、この事業は本当に残念に思います。もともとは下村博文議員が文部科学大臣のときにできた事業です。

 日本の文化財は点々と存在して説明も少ないので、本来の歴史・文化のストーリーを整備して、その歴史・文化を見える化して、解説案内板やガイドさんを整備するための事業でした。文化財をただの建物として見るのではなく、その文化財をより深く理解してもらうための企画でした。

 しかし、どうなったか。行政と業者が悪いと思いますが、構成文化財はほとんど整備されることがありませんでした。薄っぺらいパンフレットすら、できるのは一部。ほとんどの場合、訪れると何の整備、解説などもされていないのです。