戦時中に日本に労務動員された徴用工問題をめぐり、日韓の摩擦が強まっている。
歴史問題は双方が神経を注ぐべき難題であるのは論をまたない。

これ以上問題を放置するのは危うい。
元徴用工らの弁護団は日本企業の株式の現金化に着手した。
実害が生じれば、日本政府が対抗措置をとり、双方の経済活動に打撃を及ぼす。

 こんな不毛な報復合戦は、国民感情に深いしこりを残す。

日本政府側もしっかり歴史に向き合い、冷静な対応を尽くすよう心がけねばなるまい。

 仲裁委の設置は、確かに日韓協定に定められている。ただし一度も互いに
設置を求めなかったのは、過去をめぐる敏感な感情に配慮してのことでもある。

真の解決は当事者間の対話でしか実現しない。
半世紀を超えた日韓の国交も、時の政権同士がたゆまず話し合い、克服してきた歩みを思い起こしたい。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14024171.html