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元慰安婦訴訟が審理可能に 日韓関係 新たな懸念のおそれ

韓国の元慰安婦などが2016年に日本政府に損害賠償を求めて起こした裁判で、
ソウルにある裁判所は審理開始に向けた手続きをとり、9日以降、審理を行う
ことが可能になりました。

日韓関係の悪化に歯止めがかからない中、裁判が本格的に動きだすことになる
のか注目されます。

韓国の元慰安婦や遺族20人は、2016年12月、「精神的、肉体的苦痛を強いら
れた」として、日本政府に対して総額でおよそ30億ウォン、日本円にして2億
8000万円余りの損害賠償を求める裁判をソウル中央地方裁判所に起こしました。

裁判所によりますと、日本政府が訴状を受け取らなかったため、ことし3月、
書類を一定期間、裁判所に掲示することで訴状が相手に届いたとみなす公示送
達の手続きをとり、9日以降、審理を行うことが可能になるということです。

ただ、審理の日程など、今後の詳しいことは明らかになっておらず、裁判が本
格的に動きだすことになるのか、注目されます。

慰安婦問題について、日本政府は、2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆
的な解決」を確認したという立場で、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判に
続き、日韓関係の新たな懸案となるおそれもあります。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190509/k10011909331000.html