鶏卵(以下、卵)は、人間に必要な栄養素をバランスよく含んでおり、「準完全栄養食品」とも呼ばれる栄養価に富んだ食品である。他方で、コレステロールを豊富に含むことから、その過量摂取は
生活習慣病の原因になるのではないかと考えられることも少なくない。一般的に、コレステロールの摂取量は低めに抑えることが望ましいと考えられているが、日本人の食事摂取基準2015年版においては、
目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、コレステロールの目標量の算定は控えられている1)。今回は卵の摂取頻度と健康への影響について、幾つかの論文報告をひも解きながら考察したい。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/aoshima2/201904/560488.html