経済産業省が29日発表した2018年の工場立地動向調査(速報)によると、茨城県は工場立地面積で前年の5位から2年ぶりに1位に返り咲いた。
立地件数も68件で5位から3位に順位を上げ、県外企業立地件数は34件で1位を維持した。
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)県内全面開通など交通網の充実に加え、昨年2月に県が工業団地の分譲価格を下げたことや県独自の立地補助金も後押しとなって企業誘致につながった。

調査によると、本県の立地面積は前年比60ヘクタール増の147ヘクタールで、2位の愛知県(76ヘクタール)に2倍近い差をつけた。
食品などに使う「リンゴ酸」など食品添加物製造の扶桑化学工業(大阪市)が神栖市の鹿島臨海工業地帯神之池東部地区にある三井化学鹿島工場跡地(28.6ヘクタール)を取得したのが数字を引き上げた。

納豆メーカー大手のタカノフーズ(小美玉市)の子会社、タカノフーズ関東も笠間市の茨城中央工業団地(笠間地区)に10.6ヘクタールを購入。
洗剤や健康食品など製造のサラヤ(大阪市)が北茨城市の中郷工業団地に5.7ヘクタールと大型案件が続いた。

立地件数は前年比22件増。1位は愛知県(77件)で、2位の群馬県(69件)とは1件差だった。県外企業立地件数は同4件増だった。

地域別の立地件数は県西32件、県南12件となり、両地域で全体の65%を占めた。県北は11件で、鹿行9件、県央4件。
圏央道沿線地域を中心に多くの企業の引き合いがあり、今後も立地需要が見込まれそうだ。
業種別では食品製造業が17件で最多。次いで生産用機械器具製造業が9件、金属製品製造業が8件だった。

県産業立地課は「今後、圏央道4車線化など一層の充実が期待される事業環境や優遇制度を広くPRしていく。製造業など設備投資への意欲が好調となっており、1社でも多くの誘致につなげたい」としている。

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