「徴用」めぐる裁判 原告側が新日鉄株式の売却 先送りの方針

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判で、原告側は、すでに差し押さえた新日鉄住金の株式を売却して現 金化する手続きを先送りする方針を示し、新日鉄住金に対して賠償に関する協議に応じるよう改めて求めました。

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判では、去年10月に新日鉄住金に賠償を命じる判決が確定し、原告側は先月、新日鉄住金の本社を訪問して、すでに差し押さえた株式を売却して現 金化する考えを伝えていました。

こうした中、原告側は、26日、株式を売却する手続きを先送りし、新日鉄住金に対して賠償に関する協議に応じるよう改めて求めると発表しました。

発表では、原告が高齢であるため、株式の売却手続きについて検討せざるをえない状況にあると強調したうえで、日本企業だけではなく、日韓両政府もその点を認識するべきだとして、早期に対応するよう訴えました。

日本政府は、原告側が株式を売却することについて、「極めて深刻だ」と述べていました。

一方で、ことし1月に賠償を命じる2審判決が言い渡された機械メーカー不二越の裁判について、原告側は、韓国内の資産の差し押さえを認める決定をウルサン(蔚山)地方裁判所が出したと発表しました。

対象となる資産は、不二越と韓国企業による合弁会社の株式、7億6500万ウォン分(日本円にして7500万円ほど)で、一連の裁判で日本企業の資産の差し押さえが認められるのは、これで3件目になります。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190326/k10011861071000.html