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「中国の人工島は人道に対する罪」 比元閣僚がICCに提訴
中国が南シナ海で進めている人工島の造成は、周辺の住民などに深刻な影響を
与えており、「人道に対する罪」に当たるとして、フィリピンの元閣僚が22日、
中国の習近平国家主席などをオランダのハーグにあるICC=国際刑事裁判所
に告発しました。
告発したのは、アキノ前政権で外相を務め、現在はフィリピンで国際問題を研
究するシンクタンクの代表のアルバート・デルロサリオ氏などです。
告発状の中で、デルロサリオ元外相らは、中国が南シナ海で進めている人工島
の造成について、多様な生態系をはぐくむ岩礁やさんご礁などが失われており、
半永久的な環境破壊だとしています。
そのうえで、こうした行為は、南シナ海の漁業資源に頼るフィリピンなど周辺
国の住民の生活に深刻な影響を及ぼしているとして、中国の習近平国家主席と
王毅外相、それにフィリピンに駐在する趙鑑華大使の合わせて3人を、国際法
上の「人道に対する罪」に問うよう求めています。
南シナ海をめぐっては、国際的な仲裁裁判で、3年前に、ほぼ全域に管轄権が
あるとする中国の主張を全面的に否定する判断が示されていますが、その後も
中国による人工島の造成は続いています。
22日会見を開いたデルロサリオ元外相は「仲裁裁判の判断のあとも南シナ海の
状況に変化はない。私たちはこの海で生きる人たちの生活を守りたい」と話し
ていました。
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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190322/k10011857611000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190322/K10011857611_1903222249_1903222251_01_02.jpg