私はニューヨークに住んで20年以上になる。
ニューヨークでは東京よりもはるかにインフラがくたびれており、エスカレーターもエレベーターもない地下鉄の駅がいまだに多い。そういう駅で
、ベビーカーを押した女性や体の不自由な人がいると、見ず知らずの人同士が「ヘイ、手伝おうか?」「ほら、あんたもちょっと手貸して」
という感じで自然発生的にチームになって、助けてあげている光景にしばしば遭遇する。

こうした想いを1月にこうツイートした。
「今日ニューヨークの混んだ地下鉄で席を譲ってくれようとした若者がいて、その時思った。東京に2週間ちょっといた間、毎日電車に乗ったけど、
一度も席を譲ってくれようとする男性(私にであれ、近くに立ってる人であれ)に会わなかったな。」

だが驚いたのはこのツイートに対する反響だった。多くの女性が「わかる!」という一方で、「女だからって譲られるのを当然と思うのは変だ」
「レディファーストってものがそもそも意味不明」というコメントも来た。
この前新宿駅でドアが開いた途端に押し出されてホームに倒れ込んだけど、誰も助けてくれなかったよ?みんな私をまたいで行ったね。日本終わった、と思った(笑)」

「どんだけ人間性麻痺してるんですか」

日本以外の国ではどうなのか 日本以外の国に住んだことがある人や、旅行体験に基づいてコメントをくれた人々もいた。
ベトナム(とケニア)に住んだ経験のある友人からは、
「ベトナムに住んでいた時は、若い子たちが年上の人にささっと席を譲っていたのを毎日のように見ていたし、ケニアでも年寄りは大切にされていたな。
あとは、小さい子や赤ちゃんがいるお母さんは周りに助けられていた。日本はそういうの少なくて悲しくなるね」

中国に住んでいた友人からは、
「あの人口の多い中国ですら、老人と子供(をつれた人)には若い人は積極的に席を譲ってた。」

「それだけ社会全体が消耗していて、余裕が全くないのでしょう。ブラック労働で疲れ果てた人たちも増えたと思います。先日訪れた台北では譲り合いの文化が十分にあり、
気分的に過ごしやすさを感じました。

「男女平等ならなぜ女を守る必要が?」

日本の男性たちは何故「レディーファースト」ができないのか?その答えはおそらくシンプルだ。
「知らないから」だ。 通常、日本で育つ男の子たちは「紳士たるもの、女性を守り、敬意をもって大切に扱わなくてはならない」という騎士道精神や、
「女性をエスコートする際のマナー」の基本を、家でも学校でも教えられない。
だから、「男女平等なんだろう?だったら、男が女を守る必要なんてないだろう」という発想になるのではないか。
日本以外の国では、こちらが頼まなくても、ほぼ必ず誰か男性が手助けしてくれる。

あるとき東京でスーツケースを持って電車に乗る時、重いので持ち上げるのに一瞬間が空いてしまったら、後ろにいた日本人男性に「モタモタしてんじゃねーよ」
そんなこと言うんだ?。「手伝いましょうか?」じゃなくて?

2020年のオリンピックまでに、日本でも誰かが重い荷物を持って大変そうにしていたら、自発的に動ける人がもっと増えて欲しい。そうでないと恥ずかしい。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190312-00010000-binsiderl-soci&;p=2