暴力団などに属さずに犯罪行為を繰り返す、「半グレ」と呼ばれる不良集団が県内に少なくとも3団体いるとみて、沖縄県警が警戒を強めている。

本島中南部や先島地方を拠点に活動し、県警が把握しているだけで総勢約80人いるとされる。
地元組織である指定暴力団旭琉会や県外暴力団組織などとつながりを持ち、闇金や特殊詐欺などで資金を獲得しているとみて、捜査を進めている。
2日までに、捜査関係者への取材で分かった。

捜査関係者によると、3団体の中には違法行為だけでなく、合法的な飲食店事業、観光業、建設業などにも進出しているという。
本島中部の半グレ集団は地元の先輩後輩などの交友関係で構成する。
県外組織とも交流を持ち、特殊詐欺の受け子やかけ子として、県外に地元出身の後輩を送り込んでいる。

県内の市町村議員や首長、国会議員ら政治関係者への接触も確認されている。
本紙は半グレのメンバーとされる男に取材を試みたが、拒否された。

捜査幹部は「半グレは暴力団と違い、法律での明確な定義がなく暴力団対策法(暴対法)や暴排条例などでのしばりが効かない。資金獲得活動に窮した暴
力団組織の前面に出て活動している可能性が高い」との見方を示す。

半グレ集団への対策として、県警は2018年4月、従来の刑事部「暴力団対策課」を改編し、「組織犯罪対策課」を発足させた。
課内に担当捜査班を置いて動向を注視している。

県内では18年5月30日、県外の半グレ集団のメンバーが那覇市松山で地元暴力団である旭琉会構成員と乱闘騒ぎになる事案も発生している。
同会構成員らが凶器準備集合や傷害容疑で立件されるなど、県外の半グレ集団と地元暴力団組織との活動を巡るトラブルも表面化し始めている。

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