https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-25/PLWH2Q6VDKHS01
→NYセントラルパークの20倍の森林、包装材メーカーに売却
→かつてナチスが接収、戦後に返却−分家で2分割し保有していた

興隆と衰亡、戦争を経験したロスチャイルド家の歴史が、200年を経て終わりを迎える。

 フランクフルトを拠点に活動した銀行家、マイヤー・アムシェル・ロートシルト(英語読みでロスチャイルド)は、19世紀初頭に5人の息子を
欧州各都市に送った。その1人、ザロモンはウィーンで1815年に事業を開始。ロスチャイルド家は鉄道や製鉄所などへの投資で成功を収め、
ハプスブルク帝国で最強の銀行家にのし上がった。

 ロスチャイルドの分家は約7000ヘクタール(ニューヨーク、セントラルパークの20倍に相当)に及ぶニーダーエスターライヒ州の森を保有する
2つの信託を、ウィーンを拠点とする包装材会社プリンツホルン・ホールディングスに売却することで合意したと、匿名の関係者が明らかにした。
登記の移転はまだだという。

 これは一族のアルベルト・フォン・ロートシルト男爵が1875年に取得した土地の一部。ナチス・ドイツが1938年にオーストリアを併合した際に接収された。
第2次大戦後に一部が返還され、一族の跡取りであるベッティーナ・ルーラム氏が2012年の死去まで住んでいた。
死去後に2つの分家が土地を分割したが、いずれも今回、プリンツホルンに売却することにしたという。