台湾で日本語世代の交流会が解散

【台中=田中靖人】台湾の台中市で、戦前の日本統治時代に教育を受けた「日本語世代」の人々が約20年間、
日本語で毎月交流してきた「台日交流連誼会」が高齢化による会員減少で解散することになり、最後の会合が
12日、開かれた。

台湾では戦後、1987年まで続いた戒厳令下で、公の場で日本語の使用が禁止された。同会は99年、
日系企業の社員だった喜早天海(きそう・たかひろ)さんが世話人になり発足。多い時には元特攻隊員ら
50人を超す参加者がいたが、死去や健康状態の悪化で20人以下に減り、毎月の開催が難しくなった。

元ラジオ司会者の周進升(しゅう・しんしょう)さん(85)は戒厳令下で日本の演歌を放送し、当局から処分を
受けたこともある。周さんは日本時代を「秩序ある社会だった」と振り返り、医師の劉啓栄(りゅう・けいえい)さん(82)は
「修身で学んだ教訓は今も忘れない」と懐かしんだ。主婦の施碧珍(し・へきちん)さん(84)は「日台の懸け橋でもある
有意義な集まりだった。平成の最後の年に一段落となり感慨深い」と話した。

台北市では日本語で短歌を詠む会などが、なお続いている。だが、台中市での今回の解散は、台湾の日本語世代を
取り巻く環境の難しさを象徴する出来事となった。

http://news.livedoor.com/article/detail/15867891/