長崎県東彼杵町で9日、約70年前から続く鯨肉の入札会が行われた。
政府が昨年12月、国際捕鯨委員会(IWC)に脱退を通告して以降初めてで、鯨肉問屋の店先に部位ごとに分けられた肉が並んだ。

同町は江戸時代から五島列島、平戸市近海などで捕れた鯨肉の流通基地として栄えた。
戦前は業者でつくる組合が取引を行っていたが、1950年からは地元の問屋「彼杵鯨肉」が入札会を月1回開いている。

今年最初の入札にかけられたのは、ミンククジラの塩赤肉やナガスクジラの本皮など二十数種類。
このうち約8割が調査捕鯨で捕れた鯨肉で、残りは千葉県沖での沿岸捕鯨の鯨肉やアイスランド産という。
入札には4業者が参加し、値札を木箱に入れて落札した。

7月から商業捕鯨の再開が見込まれる中、同社の板谷康司社長(68)は「再開は歓迎だが、どれだけの量や種類を確保できるのかが見えず、不安も残る」と複雑な表情を見せた。

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