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年が明け、もうしばらくすると入学シーズンを迎えます。
子どもが障害を抱えていたり、発達に遅れがあったりすることによって不安を抱えている家族がいます。
希望する教育が受けられる学校のある街に引っ越す家族もいます。
三つの家族の決断から、障害児の就学問題について少し考えてみました。(朝日新聞記者・岩崎賢一)

【写真】わが子のダウン症や自閉症…それは愛する上でも「障害」ですか?「正しい人生」問い直す映画

「普通の子と交流できる方がいい」

 菅原光穂さん(43)の長男(12)は、ダウン症です。
合併症はありませんが、言葉を話し始めるのが遅かったこともあり、医師からは「普通の子と交流できる方が発育上いい」と言われたことが、心に残っています。

 東京都中野区に住んでいたときは、幼稚園に通っていました。

「幼稚園では、差別、いじめもなく、恵まれていました」

 とはいえ、幼稚園の年長になると、義務教育となる小学校の入学について考える機会が増えていきます。
一般の家庭では、私立や国立の小学校への受験を考えなければ、地元の公立小学校に入学します。

 しかし、障害や発達の遅れを抱える子どもたちは、その前に、教育委員会や学校に出向いての「就学相談」「見学」などをする機会があり、そこで現実を知ります。

就学相談で言われた一言で決断

 菅原さんも、教育委員会で話し合いをした上で、支援学級に通うことを提案されたそうです。

 その時、菅原さんは「障害のない子と交流できない学校の支援学級に通わせて、もんもんとする毎日なら、引っ越した方がいいのかな」と考えたそうです。

 「障害児」「ダウン症」と言っても、子どもによって違います。
個性もあります。
自分の子どもには「切磋琢磨していって欲しい」と考えました。それは、長男のためだけでなく家族全員「お互いのためにいいから」です。