空自F-15J/DJ戦闘機、新たな改修でどう変わる? 新中期防、まずは20機から実施
2019年01月05日 10時30分

(中略)
防衛省は、2018年8月31日に発表した平成31年度防衛予算の概算要求で、
F-15J/DJのJ-MSIP機における新たな能力改修の内容について、
空対空ミサイルの搭載数を増やす「搭載弾数の増加」、敵の攻撃を回避して
生存性を高める「電子戦能力の向上」、敵防空システムの射程外からの
攻撃能力を持たせる「スタンド・オフ・ミサイルの搭載」という3項目を上げています。

「搭載弾数の増加」について、そもそもF-15J/DJは、胴体下のステーション
(兵装装着部)に4発、左右両主翼のステーションに各2発、
合計8発の中距離空対空ミサイルを搭載できます。F-15のメーカーであるボーイングは、
アメリカ空軍のF-15C戦闘機に対し、能力向上改修案「F-15C 2040」を提案していますが、
この案には胴体左右に設けられた増加燃料タンクのステーションに
AIM-120「AMRAAM」空対空ミサイルの2連装ランチャーを、左右両主翼下のステーションに
AIM-120の4連装ランチャーをそれぞれ装着し、空対空ミサイルの搭載数を
16発に増加させる計画が含まれています。
またボーイングは2018年11月に東京ビッグサイトで開催された「国際航空宇宙展2018東京」
(以下「JA2018」)に、AIM-120を18発搭載するF-15の模型も出展しています。

航空自衛隊のF-15J/DJは増加燃料タンクを装着していません。
また、一部の機体は胴体側面に、敵のレーダー波などをキャッチして電波妨害と
チャフ・フレアの発射を自動的に行なう、統合電子戦装置「IEWS」のアンテナを
追加装備しているため、そもそも増加燃料タンクの装着が不可能です。
このためJ-MSIP機における「搭載弾数の増加」は、胴体に搭載するミサイルの数はそのままで、
両主翼下のステーションに4連装ランチャーを搭載して、中距離空対空ミサイルの搭載数を
12発に増加させる形になるのではないかと、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

J-MSIP機は通常、中距離空対空ミサイルとしてAAM-4を搭載していますが、
能力向上改修を受けたJ-MSIP機は、AAM-4のほかAIM-120の搭載も検討されているようです。
(後略)

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