最近になって北朝鮮は毎日のように「9・19南北軍事合意」を口実に韓国軍の一挙手一投足に言い掛かりをつけている。
24日には韓国国防部(省に相当)が公表もしていない首都圏における機動訓練まで「敵対関係終息を確約した南北軍事合意に反する」などと非難してきた。
先月初めに行われた韓米の海兵隊による小規模訓練を皮切りに、韓国軍による防衛用の迎撃ミサイル導入、国防予算の増額、さらには全軍指揮官会議まで北朝鮮は「合意違反」などと主張している。
これら全てが「平和を破壊する行為」に当たるというのがその理由だ。
北朝鮮による「合意違反」の指摘はすでに7?8回に及んでいる。

 北朝鮮がこれらの主張を行う根拠になっているのは、軍事合意の中にあるいわゆる「毒素条項」だ。
例えば第1条第1項には「双方は軍事訓練および武力増強、相手に対する偵察問題などについては南北軍事共同委員会で協議を行う」と定められているが、
この条項に従って軍事共同委員会が開催されれば、韓国は独自の軍事訓練や演習、あるいは新しい兵器を導入するたびに北朝鮮の同意を得なければならない。
これでは安全保障そのものを放棄したようなものだ。

 今年は南北首脳会談がすでに3回行われ、韓半島(朝鮮半島)の緊張が緩和したといわれている。
しかし北朝鮮には核兵器はもちろん、在来兵器なども全てそのまま残っている。われわれが最も警戒すべき軍事的脅威が北朝鮮であることには誰も異論を差し挟まないだろう。
ところが韓国軍が国民を守るための訓練を行い、戦力を増強するたびに、北朝鮮は「われわれの同意を得よ」などと言っているのだ。
国にとって大切な「軍事主権」を、自国の安全保障で最も脅威となっている相手に委ねる国がこの地球上のどこにあるだろうか。

【社説】韓国軍の一挙手一投足に言い掛かり、南北軍事合意を利用する北朝鮮
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/15788089/