19日の東京株式市場で任天堂の株価が一時前日比4%安となる2万9790円に下落した。
2017年5月以来、1年7カ月ぶりの安値をつけ、心理的節目の3万円を割り込んだ。
同日上場したソフトバンク株が軟調に推移したことから個人投資家の心理が悪化し、個人の注目度が高い任天堂株にも売りがかさんだ。

終値も3%安だった。
日経平均株価が約9カ月ぶりの安値を付ける中、主要な銘柄は軒並み下落した。
多くの投資家が持ち高の整理に動く中で「任天堂株にも売りが波及した」(エース経済研究所の安田秀樹氏)との見方があった。

任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の直近の売れ行きは鈍い。
4〜9月の販売台数は前年同期比4%増の507万台にとどまった。
現在は業績を左右する年末商戦の最中で「販売不振が連想されやすい状況」(国内証券)。
懸念が先行しているとの指摘がある。

11月16日に「ポケットモンスター」、12月7日に「大乱闘スマッシュブラザーズ」と人気ソフトの新作を相次いで投入し、スイッチの販売に攻勢をかけている。
任天堂の幹部は「全世界で新ソフトの売り上げは好調」と明かす。

利益の源泉となるソフトの販売が伸び、業績への安心感が広がれば、再び買いが優勢になり株価が反転する可能性もある。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO39147070Z11C18A2EN1000?s=0