日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)の報酬過少記載事件で、ゴーン容疑者が退任後に受け取る報酬額を記した覚書は、
ゴーン容疑者の最側近の幹部社員が個人で保管していたことが30日、関係者への取材で分かった。
覚書は複数の種類があり、ゴーン容疑者のサインがあったほか、幹部社員がサインしたものもあったという。
この幹部社員は東京地検特捜部との司法取引に応じ、自身の刑事処分の減免と引き換えに、覚書を証拠提出したもようだ。

 東京地裁は同日、ゴーン容疑者と、前代表取締役のグレゴリー・ケリー容疑者(62)の勾留をいずれも10日間延長する決定をした。期限は12月10日。

 ゴーン容疑者はケリー容疑者と共謀し、平成22〜26年度の5年分の報酬を約50億円過少に有価証券報告書に記載したとして金融商品取引法違反容疑で逮捕された。

 ゴーン容疑者は役員報酬の開示が義務化された22年以降、報酬20億円前後のうち、
有価証券報告書に10億円前後と記載し、残りを退任後に受け取ることを自ら決定。
各年度の報酬額や将来の受取額などを記載したサイン入りの覚書を作成し、
29年度までの8年間で計約90億円分をコンサルティング契約料などの名目で退任後に受け取る計画だったとされる。
この計画は取締役会に諮られたことはなかったという。

 関係者によると、この覚書は、長年秘書室長としてゴーン容疑者に仕えた最側近の幹部社員が、個人のパソコンで極秘に保管しており、
ケリー容疑者ら限られた側近のみでその情報を共有。経理部門や監査法人にも知らされなかったという。




ゴーン容疑者の報酬覚書、最側近幹部が個人で保管
https://www.sankei.com/affairs/news/181130/afr1811300038-n1.html