トルコのサウジアラビア総領事館での記者殺害から1カ月以上が過ぎたが、米国では依然として盛んな報道が続いている。
なぜなのか。危機管理コンサルタントの丸谷元人氏は「事件の背景には米国内の激しい権力闘争の影響が見てとれる。
殺害された記者は反トランプ派と近く、殺害したサウジ政権はトランプ派と近い。
米国メディアには反トランプ派が多く、それが報道を長引かせている」と解説する――。(前編、全2回)

2018年10月2日、サウジアラビア出身のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がイスタンブールの
サウジ領事館において行方不明になった。

この事件についてトルコ当局は、カショギ氏が身につけていたアップルウォッチを通じて得られた音声情報から、
同氏が領事館内で生きたまま体を切断され、その遺体は国外に持ち去られたと発表。現在サウジ国内で実権を握る
ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子(以下、ムハンマド皇太子)に対してカショギ氏が批判的であったため、
皇太子の怒りを買って殺害されたのではないか、との憶測が世界中に飛び交った。

https://president.jp/articles/-/26733