滋賀県は、4年ごとに見直す「環境への配慮のための指針」の改定素案をこのほど示した。環境負荷の少ない生活行動をより一層促そうと、
県民に向けて「(宅配の)配達予定日時には在宅する」「(風呂では)不要な追いだきはしない」といった呼び掛けを新たに盛り込んだ。
ただ、約190項目からなる指針の「細かすぎる」書きぶりに、審議する委員の一部からは疑問の声も出ている。

指針は、県環境基本条例に基づく「滋賀県環境総合計画」の一部で、県民や事業者が環境保護のためにできることを自ら考え、
選択するためのガイドライン。県民に対しては衣食住の心がけを、事業者には省資源や敷地緑化などを箇条書きで勧めている。

2度目の改定となる素案では、現指針で県民向けに「間隔をおかずに続けて入浴する」としている項目に「不要な追いだきはしない」との一文を追加。
「ムダな包装は断る」は「レジ袋は使わない」とより具体的に変更し、減らすべき 使い捨て容器として「プラスチック製ストロー」を加えるなどした。

宅配については新規に「配達予定日時には在宅するなどして荷物を確実に受け取り、再配達を削減する」と書き加えた。
プラスチックごみの海洋流出や宅配の再配達がもたらす環境負荷は近年、社会問題化している。県環境政策課は「何のために、
どうするかを今回の素案で明確にした。生活様式の変化に対応し、さまざまな意見を盛り込む中で具体的な記述が増えた」とする。

一方で指針には、トイレットペーパーはダブルよりシングル巻きの使用を勧めるなど、環境への貢献が必ずしも明確でない項目も含まれている。
県が外部の意見を聞くため今月開いた環境審議会環境企画部会では、県民を代表する立場の公募委員から「内容が細かすぎる」との意見があった。
別の委員からは、そもそも「指針をどこで読めるのか分からない」と、県民への広報やコミュニケーション不足が指摘された。

現指針と改定素案は県ホームページに掲載。県環境総合計画の第5次改定に合わせ、本年度内に正式決定される。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181119-00010000-kyt-l25
滋賀県庁(大津市)
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