ロンドンのサディク・カーン市長は5日、BBCのラジオ番組「トゥデイ」に出演し、
ロンドンで暴力事件が多発している問題を解決するには10年はかかるとの見解を示した。

ロンドンでは10月31日以降、少年3人と成人男性2人がナイフなどで刺されて死亡している。

カーン市長は番組内で、「大きな改善効果が表れるには最大10年かかるだろう」と話した。

一方、ビクトリア・アトキンス内務政務官(ぜい弱性、予防措置、過激派対策担当)は、暴力犯罪対策は「警官の数だけの問題ではない」と話している。

ロンドンでは今年すでに、去年1年間の116件を超える119件の殺人事件が起きた。
これには刺殺事件が74件、銃撃による殺人が12件含まれる。

ロンドン警視庁のスチュワート・カンディー警視長は、「市内には何百人もの警官が追加配備されている」としている。

ジェイ・ヒューズくん(15)は1日、ロンドン南東部ベリンガムで計画的に襲撃され、刺殺された。
ヒューズくんは「とても賢く、アートの才能があった」と家族は話している。

翌2日には、地下鉄ノーザン線クラッパム・サウス駅の外で17歳のマルコム・ミデ=マダリオラくんがやはりナイフで刺されて死亡した。

このほか、10月31日には中心部に近いサザークの人の多い公園内でロッキー・ジェラルさん(38)が、
11月4日には南東部ブロムリーで22歳の男性がそれぞれ刺殺された。

さらに5日深夜には、南部ランベス地区タルセヒルの住宅地で16歳少年が死亡した。
午後22時53分に発砲の通報があり警察が急行すると、意識不明の少年を発見。
少年は約1時間後に死亡した。刺されたけがが原因とみられる。

ブロムリーの事件では容疑者の男2人が逮捕されている。

カンディー警視長は、「悲劇的なことに、ロンドンでは10月31日以降に4件の殺人事件があり、いずれも関連性はない」と発表した。

「つまり4人それぞれの家族と友人、知り合いが、無意味な暴力によって痛ましい影響を受けている」




ロンドンで暴力事件が多発 「事態解決には10年かかる」=市長
http://www.bbc.com/japanese/46106046