昨年3月、長野県の消防防災ヘリコプターが墜落し9人が死亡した事故で運輸安全委員会は25日、
ヘリが離陸・上昇後、水平飛行を続け、山肌が近づいても回避操作を行わず墜落したとする航空事故調査報告書を公表した。
機長=当時(56)=がごく短時間の居眠り「マイクロスリープ」に陥った可能性を指摘したが、乗員全員が死亡し、断定できないとした。

 報告書によると、ヘリは平成29年3月5日午後1時33分、救助訓練のため長野県松本市の松本空港を離陸。
高度1740メートルに上昇し右方向に旋回、水平飛行を続けたが午後1時41分ごろ、松本市の鉢(はち)伏(ぶせ)山で樹木に衝突し斜面に墜落した。
機体は大破し、機長や乗員ら計9人が全員死亡した。

 墜落直前まで撮影された機内の映像や音声などでは機体の故障や、特異な操縦はなく、
機長以外の乗組員が高度など飛行状況の危険を伝える様子も記録されていなかったとしている。

 一方、機長は事故直前の29年2月、フィンランドへ10日間の海外旅行をしていたことが判明。
時差や生活リズムの変化、疲労で、ごく短時間の居眠りに陥った可能性があると指摘した。

 また、機長は持病などで薬を服用していたが、航空業務に必要な「航空身体検査証明」を受ける際に自己申告していなかった。

9人死亡の長野ヘリ事故、機長、短時間居眠りの可能性も
https://www.sankei.com/affairs/news/181025/afr1810250004-n1.html