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 岡山城(岡山市北区)に近い旭川河川敷で、毎月第1日曜日に開催されている「備前岡山京橋朝市」が、先月で30周年を迎えた。京橋は江戸期に水陸交通の要衝として栄えた場所で、街中の地盤沈下を危惧した地元商店主らが始めたのがきっかけ。
今では夜明け前から大勢の客でにぎわい、岡山の名物イベントとして定着した。商店主らは「若手に引き継ぎながら、末永く続けていきたい」と話している。(岡信雄)

 ◇子ども向けの催しも充実

 「ここはすごい。人の集まりが早いうえ、短時間で一気に売れる。全国の朝市でも特別だ」

 379回目を迎えた10月7日の朝市。北海道の海産物などを販売に訪れた釧路市物産協会の大森康平さん(45)は驚きの声を上げた。

 この日、京橋西詰めの河川敷に並んたテントは約140。「寄ってみられぇ」。午前4時頃から威勢の良い掛け声が飛び交う。県内でとれた鮮魚や農産物のほか、ばらずしやえびめし……。ニンニクの芽の天ぷらや、千屋牛の串焼き、石窯で焼かれた本格ピザもある。

 岡山市南区の園山晶子さん(33)は「1年前から毎回、早起きして通っています。大型スーパーにはない距離感がいいですね」と話し、アマゴの塩焼きを頬ばった。

       ◎

 岡山市中心部を流れる旭川下流に架かる京橋。岡山城のおひざ元にあり、江戸期は海山の幸が荷揚げされる要衝地として大いににぎわったという。岡山の伝承民謡でも<京橋へんの魚売り>と歌われた。

 しかし、昭和後期になって市中心部からの人口流出が進むとともに、京橋近くにあった魚市場や青果市場も郊外に移転。
危機感を強めた地元の商店主や町内会のメンバーらが瀬戸大橋開通(1988年)にあやかって、「かつてのにぎわいを取り戻すきっかけに」と始めたのが朝市だったという。

 初回は台風に見舞われたこともあり、出店数は予定の50を大幅に下回った。それでも「毎月続けることが大切」と荒天でもコツコツと休まずに開催してきた。

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