米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は9月30日、サウジ政府関係者らの話として、
サウジがソフトバンクグループと計画していた2000億ドル(約23兆円)規模の太陽光発電計画が棚上げされると報じた。

サウジとソフトバンクは3月、2030年をめどに、計2億キロワット分の太陽光発電所を建設する計画を発表。
同年の世界の太陽光発電能力の15%を占める大規模プロジェクトになるはずだった。

WSJは「誰もがこの計画の死を望んでいる」とするサウジ政府関係者の発言を伝えた。
この関係者は棚上げの理由として、計画の実現性が不透明であることや、再生エネルギー事業で将来の技術革新が見込まれるなかで、
現状の技術に巨額の費用を投じるのはリスクが高いことをあげた。

この関係者らによると、棚上げする計画のかわりに、サウジが10月下旬、もっと大規模で現実的な再生可能エネルギーの拡大戦略を発表する。

サウジはムハンマド皇太子のもと、資源輸出に依存しすぎないための産業創出や財政再建を進めようとしている。
ソフトバンクと組む太陽光発電計画はその一環だった。

この報道についてソフトバンクは日本経済新聞に対し「コメントを控える」(広報室)と回答した。
同社はサウジやインドなど赤道に近い地域での太陽光発電をエネルギー戦略の柱の一つと位置づける。
運用額10兆円規模のソフトバンク・ビジョン・ファンドから事業総額の2割程度を出資し、
残りは企業などへの売電契約に基づく収入を担保にするプロジェクトファイナンスでまかなう計画だった。

サウジ、ソフトバンクとの太陽光計画を棚上げ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35965360R01C18A0FF8000/