[東京 28日 ロイター] - 飲料各社の自販機ビジネスに逆風が吹いている。コンビニエンスストアやドラッグストアなどに押されて
構造的な縮小傾向が続く中、1台あたりの売上高も減少している。

今年はさらに人手不足や物流コスト高、自販機の主力商品である缶コーヒー不振なども直撃。定価販売で利益率が高い優良な
販売ルートである自販機ビジネスをどう守るか―――。AI(人工知能)搭載の新型機開発や優良立地の争奪戦など各社の動きが
加速している。

<缶コーヒー不振が追い討ち>

サントリー食品インターナショナル (2587.T)の?郷三朗社長は、足元の自販機ビジネスについて「トリプルパンチだ」と話す。
トリプルパンチとは、1台あたりの売り上げ(パーマシン)減少、人件費や物流費などのコスト高、そして缶コーヒーの不振だ。

自販機販売比率が83%と高いダイドードリンコ (2590.T)の松富也社長も、ドラッグストアの食品取り扱い拡大に対応して、
コンビニで缶コーヒーなど飲料の安売りが広がっており、「収益環境はより厳しくなっている」と振り返る。

1―6月期の清涼飲料出荷数量は2%増で過去最高となった。コンビニやスーパーなどのチャネルで販売数量が増加したためだが、
自販機は3%減と落ち込んだ。

日本自動販売システム機械工業会によると、2017年末の飲料自販機の普及台数は244万3800台で前年比1.2%減少した。
飲料各社が台数増よりも質重視に転換したため、稼働台数が3年連続で減少するなか、何とか踏みとどまっていたパーマシンが、
17年には減少に転じた。

加えて、今上期は缶コーヒーの不振が追い討ちを掛けた。サントリー食品が昨年売り出したペットボトルコーヒー「クラフトボス」が
大ヒット商品となり、コンビニの入れたてコーヒーやボトル缶コーヒーへと流出してきた缶コーヒー需要が一段と縮小した。
缶コーヒーは、最も利益率が高く、自販機販売の40%を占める主力商品だけに、自販機の不振に直結した。

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https://jp.reuters.com/article/vending-machine-idJPKCN1M809D