24日午後3時ごろ、神戸市東灘区にある六甲山系のハイキングコース「魚屋道」を歩いていた大阪市の女性(36)から「下山中に帰り道が分からなくなった」と110番があった。
兵庫県警のヘリコプターが捜索し、約30分後、女性に加え10歳と6歳の息子2人を発見、神戸市消防局の消防隊員が救助した。3人にけがはないという。

 東灘署や市消防局によると、3人は芦屋ロックガーデンから登山道に入り、JR甲南山手駅方面へ向かっていたが、「蛙岩」と呼ばれる大きな岩の南数十メートル付近で迷った。
女性は「土砂崩れなどで通れない道があり、通れるところを行くうちに迷ってしまった」などと話しているという。女性が持っていた携帯電話の衛星利用測位システム(GPS)を活用し、早期に場所を特定できた。

 魚屋道は甲南女子大学付近から六甲山頂を経て、有馬温泉街に抜ける登山道。明治時代に、東灘区の深江浜で取れた魚を最短で有馬温泉に届けるルートとして栄えたとされる。

 「魚屋道を歩こう会」の志手幸一郎会長(70)によると、今月4日に襲来した台風21号の後、魚屋道で「倒木や土砂崩れで通りづらい箇所がある」との報告が入っているという。
志手代表は「経験者と一緒に登山したり、万が一の際に助けを求める笛を持ったりするなど、遭難への対策を万全にしてほしい」と呼び掛ける。(村上晃宏)
https://news.goo.ne.jp/article/kobe/nation/incident/kobe-20180924010.html