https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180908-00050066-yom-sci

北海道胆振(いぶり)地方で最大震度7を観測したマグニチュード(M)6・7の地震の震源域周辺は、地震を引き起こす「ひずみ」が蓄積しやすく、過去にもM5〜6級の地震が発生している。

こうした地域は東北や北陸、関東地方などにもあり、専門家は「住民は地震への備えが特に必要」としている。

 京都大防災研究所の西村卓也准教授(地殻変動学)が全地球測位システム(GPS)を利用して行った解析によると、北海道東部では地盤が西側に年間2〜3センチ移動する。
西部からも東向きに力がかかり、胆振地方を含む地域で東西の地盤が押し合う形になり、ひずみが蓄積しやすくなっているという。

 ひずみの蓄積が限界に達すると、岩盤の割れ目(断層)で破壊が進み、地震が起きる。気象庁によると、今回の地震の震源域周辺では、1924年と27年にM6、2017年にM5・1の地震が起きるなどしている。
国内では新潟県から兵庫県南部にかけて延びる「新潟―神戸ひずみ集中帯」などが知られ、阪神大震災(1995年)や新潟県中越地震(2004年)などの大規模地震が発生している。

 西村准教授は「ひずみのたまりやすい地域は国内に複数ある。備えを進める判断材料の一つとして、こうした地域の存在を知ってほしい」と話した。