車にマイホーム…昔の“普通の生活”を選択しない若者たち、現代ではハードルが高い?

一昔前は“普通”だった、「家庭を持つ」「車を買う」「家を買う」という選択をしない若者が増えていることについて、
親世代からは「今どきの若者は向上心がない」「夢がない」と嘆く声が聞かれています。

SNS上では「現代日本でこんな生活できる?」「そもそもお金がないから無理」「ハードル高すぎ」
「普通じゃなくぜいたく」「税金もローンも大変」など、さまざまな声が上がっていますが、実際のところは
どうなのでしょうか。ファイナンシャルプランナー(FP)の名方朋世さんが解説します。

(略)

■年収700万だと貯金は難しい

上記のような生活を維持するためには、夫の年収が最低700万円(額面)必要です。さらに、老後資金、
教育資金、冠婚葬祭、入院などに備える緊急予備資金など、将来に備えて貯金をしておきたいと考える場合、
必然的にそれ以上の年収が必要ということになります。

【貯金できる家庭の年収例】

・夫の年収は約830万円(額面)
・貯金:ボーナスの手取りから100万円

実際は、小学校中学年ごろから塾に通い始める子どもが出始め、貯金をすることが難しくなる家庭が多いです。
一方で、ご主人の年収が上がっていくケースもあり、貯金をする余裕を持てる家庭もあります。家庭によって
歩みたい人生プランが異なるので、それぞれに合ったライフプランを考える必要があります。

■「何とかなる」は危険

20〜30代の人の親世代(50〜60代)が働き盛りの頃と比較すると、現代の平均月収の方が高いため、
「同じ生活」は、実はやろうと思えばできるのです。

しかし、現代は、趣味の多様性や自己成長、晩婚化によって「自分自身に費用を使う期間と機会」が多くなり、
出費が増えています。子どもの教育も多様性を帯びているため、1人あたりの教育資金は増加傾向にあります。

また、昨今は、雇用の多様化が進み、終身雇用の概念が崩れつつあります。転職や、契約・派遣社員などの
自由な雇用形態を選ぶことができる上、社会人になってから海外留学する人も増えています。厚生年金(国民年金)を
支払わない空白の時間などが生まれ、満額の年金を受け取れない人も出てくるはずです。

日々、ライフプランの相談に乗っていて感じるのは、「何とかなる」と楽観視されている方が多いことです。
今は何とかなっても、将来に備えてしっかりと準備をしておかないと大変なことになる、という危機感を持ってほしいと
思います。自分一人で考えるのは難しいので、信頼できる保険担当者などに相談してください。

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